AWS Healthイベントは、Amazon Web Services（AWS）のサービスやリソースに関する重要な情報を提供する通知サービスです。通知を認識していないと、AWS側のメンテナンス作業のために、知らないうちにEC2やRDSなどに再起動が実行され、サービスにダウンタイムが発生してしまうことなどがあります。今回はEventBridgeを使って、AWS Healthイベントが発生した際に通知する方法をご紹介します。
EventBridgeを使用して、AWS Healthイベントを通知する方法
設定手順
AWS Healthイベントが発生した際に通知する方法は、以下の手順で実行できます。
- EventBridgeルールの作成: AWS Management ConsoleのEventBridgeで、新しいルールを作成します。
- イベントパターンの指定: ルールのトリガーソースとして「イベントパターンを選択」を選び、AWS Healthのイベントパターンを指定します。例えば、特定のサービスの障害やアラートなどを選択できます。
- ターゲットの追加: ルールのアクションとして「ターゲットの追加」を選び、通知先となるサービスを選択します。通知を受け取るサービスとしては、SNSトピックやLambda関数などを選ぶことができます。
- アクションの設定: ターゲットとなるサービスに必要な情報を設定します。例えば、SNSトピックのARNやLambda関数のARNを指定します。
- ルールの有効化: ルールの詳細設定を確認し、必要な設定が完了したらルールを有効化します。
これにより、AWS Healthイベントが発生すると、EventBridgeルールがトリガーされ、指定したターゲットに通知が送信されます。通知先のサービスに応じて、メールやSMS、Slackへの通知などが可能です。この方法により、AWS Healthイベントに対してリアルタイムな監視と通知を実現できます。
AWS Healthイベントのイベントパターンについて
EventBridgeを使用してAWS Healthイベントが発生した際に通知するためのイベントパターンは、AWS Healthのイベント種別や特定の条件に基づいて指定することができます。以下にいくつかの一般的なイベントパターンの例を示します。
- 特定のサービスの障害に対する通知:
- Source: aws.health
- Detail-Type: AWS Health Event
- Detail: { “service”: [“EC2”, “RDS”], “eventTypeCategory”: [“issue”], “eventTypeCode”: [“AWS_EC2_INSTANCE_TERMINATING”] }
- 特定のリージョンの障害に対する通知:
- Source: aws.health
- Detail-Type: AWS Health Event
- Detail: { “region”: [“us-west-2”], “eventTypeCategory”: [“issue”], “eventTypeCode”: [“AWS_EC2_INSTANCE_STOPPING”] }
- 特定のリージョン内のすべてのイベントに対する通知:
- Source: aws.health
- Detail-Type: AWS Health Event
- Detail: { “region”: [“us-east-1”], “eventTypeCategory”: [“issue”] }
これらのイベントパターンは、AWS Healthイベントの種別、サービス、リージョンなどの条件に基づいて、詳細情報がマッチするイベントをフィルタリングします。イベントパターンを使用することで、特定の条件に合致するイベントに対してのみ通知を受けることができます。
EventBridgeのルールを作成し、上記のイベントパターンを指定することで、AWS Healthイベントが発生した際に通知を受けることができます。
AWS Healthイベントとは
AWS Healthイベントは、Amazon Web Services（AWS）のサービスやリソースに関する重要な情報を提供する通知サービスです。AWS Healthは、AWSアカウントに関連するイベントやアラートをリアルタイムで監視し、関連する情報を提供します。
AWS Healthイベントは、以下のような情報を提供します：
- サービスの障害やインシデント: AWSのサービスに障害やパフォーマンスの問題が発生した場合、関連する情報や対応状況が通知されます。
- 予定されたメンテナンス: AWSが予定しているメンテナンス作業やアップデートに関する情報が提供されます。これにより、サービスの一時的な停止や影響を事前に把握することができます。
- セキュリティ上の問題: AWSアカウントに影響を及ぼす可能性のあるセキュリティ上の問題や脆弱性に関する情報が提供されます。
AWS Healthイベントは、AWS Management Console、メール、SMS、SNS（Simple Notification Service）などを通じて通知されます。これにより、ユーザーはサービスの状態や問題について迅速に把握し、適切な対応を行うことができます。
まとめ
EventBridgeはAWSインフラ運用で利用する機会が多いサービスです。AWS Healthイベント以外でも、CronでEC2サーバのバッチを実行したり、CodePipelineのステータスが変更されたら検知して、Lambda関数を実行させるなど、色々な使い方をすることができます。その他の便利な使い方は、また別の機会でご紹介できればと思います。
